高次脳機能障害は治るのか?家族のサポート無しでは高齢者の一人暮らしは難しい

高次脳機能障害は治るのか?

脳梗塞の後遺症で、高次脳機能障害と診断された父。
からだの障害はそうでもありませんが、認知機能に障害が起きました。

高次レベルの脳機能に障害が起こる・・・

高次脳機能障害とは、言語・行動・認知などの高次レベルの脳機能に障害が起き、社会生活が困難になった状態みたいです。

ミザワは専門家ではないので、「高次脳機能障害」について理解が不十分なところがありますが、父親が高次脳機能障害になったので、高次脳機能障害のリハビリについて、少しは学び理解しなければなりません。。。

といっても、高次脳機能障害を学び、理解し説明するのは難しい・・・

でも、どうやら父は、元の生活に戻りたいみたいなので、家族として関わるからには最低限の知識を学ぶ必要がありそうです。

高次脳機能障害と診断されリハビリテーション病院を退院した後の生活

脳梗塞で入院、その後、病院で高次脳機能障害と診断された70代の父。
身体機能に大きな問題はありませんでしたが、認知機能に問題が起こりました。

そのため、リハビリ専門の病院に約4カ月入院していましたが、約4カ月のリハビリで治ることはなく、元の生活に戻るのは難しいみたいです。

そう、誰かの見守りがないと・・・

家に帰って、一人で暮らすことはできません。

ということで、退院後の選択肢が2つ。

  1. 家に帰って家族がサポートする
  2. 施設に入ってリハビリをしながら社会復帰を目指す

リハビリテーション病院のソーシャルワーカーの人に、2つ提案されました。

ミザワ的に、申し訳ないが前者は無いです。

仮に、高次機能障害の父親と実家で2人で暮らし、デイサービスやデイケアを利用したとしても毎日利用することは難しく、それ以外は父親に合わせミザワがサポートしなくてはなりません。。。

ここで考えられるリスクは、

  • 家族なので、子供に対して父親の甘えが出るのでリハビリにならない
  • 仕事と親の介護(リハビリ)の両立で時間にゆとりがなくなりお互いストレスをためる
  • ストレスから親子の間で喧嘩、リハビリの効果は得られず最悪の結果も考えられる
  • 父親のために、残りの自分の人生の時間の大半を使うことになる
  • 父親が他界した後の子供は心身ともに疲れ生きる気力を失う

など・・・

いや、言い訳するのはやめよう。

ミザワは実家で、父親と2人で暮らしたくない!

つまり、退院後の選択は一択で後者のみ。

後者の選択に対して、ソーシャルワーカーの人は「施設で他の人との共同生活がリハビリになる」と言っていました。

確かに、適度な刺激やストレスは、脳機能の回復には必要だと思う。(過度はNG)

実家でだらだらテレビ見て、酒とたばこと好きなもの食べていたら、認知機能は回復せずに逆に衰えていく可能性もある。(この生活習慣が今回の入院の原因とも考えられる)

仮に、通いのデイサービスに行ったところで、リハビリテーション病院のリハビリほどの刺激は得られず、結局認知機能が衰え病院に舞い戻る可能性は高い。

父親の行動パターンうを予測すると、無駄な入院と退院を繰り返す可能性が高く、それなら施設の生活で適度な刺激とストレスを脳に与えた方が回復につながる可能性は高いのかもしれない。

ただ、その場合、気にかけるとしたら、施設とデイサービスが過度な刺激やストレスにならないこと。

でも、社交的な父親ならたぶん大丈夫?だろう・・・

と、ここまではミザワの考えで、父親の希望に沿うよう落とし込む必要があります。

そう、元の生活に戻ること。

実家での一人暮らしです。

高次脳機能障害は治るのか?

高次機能障害の父親の希望とミザワの考え、お互いの希望を満たし最善の結果を得るにはどうすればいいか?ミザワは考えてみました。

って、その前に、高次脳機能障害って治るのか?

この疑問にたどりつきます。

ネットで検索したり本を読んだりするものの、元の状態に戻るのは難しそうです。

病院の先生も「これをしたら元の生活に戻れますからね。」なんて無責任なことを言わないし、たぶん、他者のサポートがないと、高齢者は一人暮らしをすることは難しいのでしょう。

まぁ、障害ですから・・・

脳梗塞で脳損傷した部分は死滅しているのか?生きているのか?それともその間なのか?
その間の部分は回復するのか死滅するのか?

分かりません。。。

死滅した部分は機能を失い元には戻らないのか?
また、その間の部分と生きてる部分が今後どう機能していくか?

分かりません。。。

失われた回路網と今まで使われていなかった回路網、そして新しい回路網はどうつながっていくのか?

分かりません。。。

これらは、リハビリをしたからと言って、皆が同じように回復することはありません。

そもそも、高次脳機能障害のすべての人の回路網も失われ方も回復の仕方も違います。

脳損傷で死滅した部分は元には戻らないと考えると、元の脳で元の生活に戻ることはできません。

時間軸から考えても、時間と共に日々変化していく体の機能や細胞の変化、目に見えて分かりにくいことが多いですが、昨日と同じなんてありえない。

元に戻らない、戻れないことを受け入れ、新しい体の機能や細胞、新しい回路網を発達させていくしかない。

ということは、リハビリは重要で、効果的なリハビリは人それぞれ違うとも考えられます。

つまり、「高次脳機能障害は治る」と言うより「回復する」?いや、元には戻らないので「今までと少し違った新しい自分をこれからの生活でつくり出す」と認識した方がいいのかもしれません。

そのためには、出来ないことが増えた今の自分を受け入れなくてはなりません。

でも、これには、それなりに時間がかかりそうです。

家族のサポート無しで高齢者の一人暮らしは難しい

高次脳機能障害の父親が社会生活に復帰するには、まず、今まで出来ていたことが出来なくなったことを受け入れなくてはなりません。

そして、今の父親がこれを認識するには、それなりの時間が必要です。

「やればできる!」や「何とかなる!」と言っているうちは、今まで出来ていたことが出来なくなったことを、まだ受け入れられていないということです。

もし、この状態で家に帰って一人で暮らすとどうなるか?

言われたことを忘れる、思ったように言葉が出ない、計算できない、掃除もできない・・・

でも、本人は、そこまで出来てないと思ってないので「何とかなる!」って・・・

脳梗塞で脳損傷した部分の機能が失われ、でも他の部分で代用できることもあったりと、脳の機能については、MRIを撮ったからといってすべてが分かるわけではありません。

何とかなると思ってできることもあれば、それと同じぐらいできないこともあるのです。

父の場合は、まず、その認識をしないと先に進めないように感じます。

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の症状には種類があり、症状が単独であらわれる場合もあれば複合であらわれる場合もあるみたいです。

例えば、ミザワの父親の症状は、

  1. 「失語症」・・・思っていることが上手く話せない、物や人の名前が出てこないなど
  2. 「記憶障害」・・・新しいことが覚えられない、約束を忘れるなど
  3. 「遂行機能障害」・・・作業の全体を把握し、自分で計画を立て手際よくこなす
  4. 「行動と感情の障害」・・・自発性の低下、依存的になりやすい、こだわりが強くなる

このように、症状が複合であらわれています。

正直な話、脳梗塞で入院する前から、こういう症状に似た特性があるとは感じていました。

でも、脳梗塞で脳損傷したことによって、これらの特性が大きくあらわれるようになったように感じます。

そして、その特性が強くあらわれることも、高次脳機能障害の症状みたいです。

あと他にも、高次脳機能障害には、注意障害、失行、失認、半側空間無視、半側身体失認、地誌的障害などの症状があります。

これらの症状はどれが良いとか悪いとかではなく、これらの症状があると社会生活だけでなく、日常生活でも周囲の理解とサポートがないと、生活するのが大変だということです。

一人暮らしをするまでの流れ

「家に帰って一人暮らしをしたい!」この父の希望に沿うようにするにはどうすればよいか?
それには、まず、父が自分の出来ないことを受け入れる必要があります。

出来ない自分を受け入れないと、周囲のサーポートが必要だと自覚しないからです。

自分には悪いところはない・・・

やってもらって当たり前・・・

家に帰っても一人で暮らせる・・・

これは、施設の生活に限らず、家に帰っても同じことが言えます。

出来ない自分を自覚し、周囲のサポートを得ながら、少しずつできるようになる。

そうすることで、出来ることが少しずつ増えてくる。

できることが増えると、施設やデイサービスの職員や介護福祉士たちができるようになったことを認めてくれる、それが家に帰って一人暮らしが出来そうなレベルなら、再度病院でテストをしてもらう。

病院の先生が、家で一人で暮らせそうと判断すれば、父の希望は叶います。

でも、正直、ミザワは無理だと考えています。

脳梗塞で高次脳機能障害になった70代の父が、周りのサポートを得ずに実家の山の中で一人暮らしは難しいでしょう。

家に帰るということは、「要介護1」ではなく「要支援」か「自立」になること、つまり、今と同じ介護サービスを受けれないということです。

いくら高次脳機能障害が改善したからと言って、今までのように周りのサポートが受けれないまま一人で暮らすのは難しいでしょう。

家族のサポートはストレス

父が家に帰って生活するには、誰かが父と一緒に家に帰って一緒に生活するしかありません。
そして、一緒に生活するということは、父のリハビリのサポートをしなくてはなりません。

でも、無事自分の希望が叶った父は、家でリハビリをするでしょうか?

仮に、「要介護1」の介護サービスが使えたとして、デイサービスに行くでしょうか?

「自分には障害はない、リハビリしなくても自分で出来る」と言い張って、元のだらだらした生活に戻るだけです。お酒もたばこも控えるように言われてるのに、きっと今まで通りに続けるでしょう。

そもそも、脳梗塞で入院しているんだから、酒やたばこのせいでまた脳梗塞で入院する可能性があります。

でも、高次脳機能障害なので、そのことすら忘れてしまっているかもしれません。

高次脳機能障害という障害の自覚がないまま父が家に帰ると、それに付きそう家族は過大なストレスを抱えることになるでしょう。

高次脳機能障害についての素人(家族)が、「親の世話をするのは家族の仕事」とか「施設に入れるのはかわいそう」とか、偽善や同情でサポートすると決めるより、施設やデイサービスやデイケアなど専門の人に任せた方が、お互いのためにも良いのではないかとミザワは考えます。

子供が自分をすり減らす日々を送ることを、親はそれを当たり前と思うのか?

まぁ、この考え方も人それぞれですね。

自分の人生はよく考えて、自分で決めるのが良い選択になるはずです。


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